安倍総理の国連演説の意味

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

先日、トランプ大統領は国連で金正恩をロケットマンと呼び彼の出方次第では北朝鮮を完全に破壊するしかないと明言した。そして、安倍総理もそれに呼応するように「いま必要なのは対話ではなく圧力」だと強調している。

その安倍総理の演説内容をNHKは次のように報じている。
尚、太字強調はブログ主による。


首相 国連総会で演説 安保理決議 厳格な履行を
NHK 9月21日 4時31分

ニューヨークを訪れている安倍総理大臣は国連総会での一般討論演説で、過去の北朝鮮との対話は核開発などの放棄につながらなかったと指摘し、「北朝鮮の挑発を止めることができるかどうかは国際社会の連帯にかかっている」と述べ、すべての加盟国に対して一連の安保理決議の厳格かつ全面的な履行を呼びかけました。

演説の冒頭、安倍総理大臣は、女性支援や安全保障理事会の改革など紹介するテーマが多くあるものの北朝鮮問題一点に集中せざるをえないとしたうえで、北朝鮮が核実験を強行したことなどに触れ、「このたびの危機は独裁者が大量破壊兵器を手に入れようとするたび、われわれがくぐってきたものと、質において次元の異なるものだ」と指摘しました。

そのうえで、安倍総理大臣は、「北朝鮮の核兵器は水爆になったか、なろうとしている。その運搬手段は早晩、ICBM=大陸間弾道ミサイルになるだろう。これをもたらしたのは『対話』の不足では断じてなかった」と述べました。

そして、KEDO・朝鮮半島エネルギー開発機構や、6か国協議を通じた北朝鮮との対話が核開発の放棄などにつながらなかったと指摘し、「対話による問題解決の試みは無に帰した。北朝鮮にすべての核・弾道ミサイル計画を完全で検証可能かつ不可逆的な方法で放棄させなければならない。そのために必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調しました。

さらに安倍総理大臣は、「核・ミサイルの開発に必要な、モノ、カネ、ヒト、技術が北朝鮮に向かうのを阻み、累次の決議を完全に履行させる。必要なのは行動だ。北朝鮮による挑発を止めることができるかどうかは国際社会の連帯にかかっている」と述べました。

そして、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから、ことし11月で40年になることにも触れ、拉致・核・ミサイルなど諸懸案の包括的解決に向けて、国連のすべての加盟国に対して一連の安保理決議の厳格かつ全面的な履行を呼びかけました。

第2次安倍政権発足後、安倍総理大臣が国連総会の一般討論演説を行うのは今回で5回目ですが、政府関係者によりますと、ここまで北朝鮮にしぼって演説したことは過去にないということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170921/k10011150051000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_033


NHKがどこまで正確に伝えているか検証するために、この演説の全文を外務省のホームページで確認してみた。


第72回国連総会における安倍内閣総理大臣一般討論演説
平成29(2017)年9月20日

http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/unp_a/page4_003327.html

やや長いので、これまでの経過を各国に説明していると思われる前半部分(1.~4.)は省略して引用する。

(以下引用)

5.
 議長,同僚の皆様,国際社会は北朝鮮に対し,1994年からの十有余年,最初は「枠組合意」,次には「六者会合」によりながら,辛抱強く,対話の努力を続けたのであります。

 しかし我々が思い知ったのは,対話が続いた間,北朝鮮は,核,ミサイルの開発を,あきらめるつもりなど,まるで,持ち合わせていなかったということであります。

 対話とは,北朝鮮にとって,我々を欺き,時間を稼ぐため,むしろ最良の手段だった。

 何よりそれを,次の事実が証明します。

 すなわち1994年,北朝鮮に核兵器はなく,弾道ミサイルの技術も,成熟にほど遠かった。それが今,水爆と,ICBMを手に入れようとしているのです。

 対話による問題解決の試みは,一再ならず,無に帰した。

 なんの成算あって,我々は三度,同じ過ちを繰り返そうというのでしょう


 北朝鮮に,すべての核・弾道ミサイル計画を,完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な方法で,放棄させなくてはなりません

 そのため必要なのは,対話ではない。圧力なのです。

6.
 議長,同僚の皆様,横田めぐみという,13歳の少女が,北朝鮮に拉致されて,本年11月15日,ついに40年を迎えます。

 めぐみさんはじめ,多くの日本人が,いまだに北朝鮮に,拉致されたままです。

 彼らが,一日も早く祖国の土を踏み,父や母,家族と抱き合うことができる日がくるよう,全力を尽くしてまいります。


 北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対し,日本は日米同盟によって,また,日米韓三国の結束によって,立ち向かいます。

 「全ての選択肢はテーブルの上にある」とする米国の立場を,一貫して支持します。

 そのうえで私は,北朝鮮に対し厳しい制裁を課す安保理決議2375号が,9月11日,安保理の全会一致で採択されたのを,多とするものです。

 それは,北朝鮮に対する圧力をいっそう強めることによって,北朝鮮に対し,路線の根本変更を迫る我々の意思を,明確にしたものでした。

 しかし,あえて訴えます。

北朝鮮は既に,ミサイルを発射して,決議を無視して見せました

 決議はあくまで,始まりにすぎません。

 核・ミサイルの開発に必要な,モノ,カネ,ヒト,技術が,北朝鮮に向かうのを阻む。

 北朝鮮に,累次の決議を,完全に,履行させる。

 全ての加盟国による,一連の安保理決議の,厳格かつ全面的な履行を確保する。

 必要なのは,行動です。北朝鮮による挑発を止めることができるかどうかは,国際社会の連帯にかかっている。


 残された時間は,多くありません。

7.
 議長,ご列席の皆様,
北朝鮮はアジア・太平洋の成長圏に隣接し,立地条件に恵まれています。勤勉な労働力があり,地下には資源がある。

 それらを活用するなら,北朝鮮には経済を飛躍的に伸ばし,民生を改善する途があり得る。

 そこにこそ,北朝鮮の明るい未来はある
のです。

 
拉致,核,ミサイル問題の解決なしに,人類全体の脅威となることで,拓ける未来など,あろうはずはありません

 北朝鮮の政策を,変えさせる。そのために私たちは,結束を固めなければなりません。

 有難うございました。


(引用ここまで)


NHKの記事は全体をよくまとめてはいるが、この演説で最も重要と思われる以下の部分に全く触れていない。


 北朝鮮はアジア・太平洋の成長圏に隣接し,立地条件に恵まれています。勤勉な労働力があり,地下には資源がある。
 それらを活用するなら,北朝鮮には経済を飛躍的に伸ばし,民生を改善する途があり得る。
 そこにこそ,北朝鮮の明るい未来はあるのです。



全体に非常に北に厳しい論調の中で、ここだけが北朝鮮のいいところに触れており、「明るい未来」という言葉も出てきている。しかも、これはまとめの部分なのだから、一番言いたいことだと考えるのが普通だろう。

トランプ大統領は「北朝鮮は、非核化が唯一の受け入れ可能な将来であることを認識するべき時」と述べ、安倍総理も全く同じことを述べた。その上で金正恩がそれを受け入れるなら、北朝鮮には明るい未来が拓けるとのメッセージを送ったのだ。

金正恩は安倍政権がODAなどで相手国が本当の意味での力が付くような支援を行っていることも知っているはずだ。だから、北朝鮮の高い潜在力を経済発展につなげるための提案や支援をする用意があることを示唆し、考えを変えるように促しているのである。

安倍総理はアメリカと共に制裁に穴が開かないように各国に訴える一方、金正恩には彼が強くこだわる核保有国への道を断念するメリットを示した核の放棄こそが、戦争を避け北朝鮮も含む世界に平和と繁栄をもたらす唯一の道だと教えたのである。

その思いが「拉致,核,ミサイル問題の解決なしに,人類全体の脅威となることで,拓ける未来など,あろうはずはありません。」に凝縮している。日米が結束し、世界に働きかけ、北への圧力をさらに強めるのは、金正恩を和平への道に向かわせるためなのだ。

トランプ演説を受けた金正恩は初めて自身の名前で声明を出し、過激な言葉でトランプ大統領を罵倒している。


金正恩氏が初の直々声明「米国のおいぼれを必ず火で罰する」 トランプ米大統領の「完全破壊」演説に対抗 米朝首脳が名指しで罵倒合戦
http://www.sankei.com/world/news/170922/wor1709220014-n1.html


罵倒合戦はお互いさまとして、この中でもっとも注目されるべきは次の部分だ。


「トランプが世界の面前で私と国家の存在自体を否定して侮辱し、わが共和国(北朝鮮)をなくすという歴代で最も暴悪な宣戦布告をしてきた以上、われわれもそれに見合う史上最高の超強硬対応措置断行を慎重に考慮する


すでにネットでは多くの人が指摘しているが、「史上最高の超強硬対応措置断行」に「慎重に考慮する」と続くのは落差があり過ぎて滑稽ですらある。
まるで、吉本新喜劇のギャグみたいだ。

「対応措置」に飾りの言葉がたくさんくっつくのは、「慎重に考慮する」気持ちが強いことの裏返しなのではないか。この声明について見解を求められた北朝鮮の外相が「太平洋上で水爆実験」と極めて刺激的なことを述べたが、これにも同じような感じがある。

この外相の国連での演説が延期になったが、上記の反応と合わせると北朝鮮内部でトランプ大統領や安倍総理の演説をどう評価するか揺らぎがあるからかもしれない。
制裁がジワジワと効いていて、金体制はかなり苦しくなっているのではないか。

アメリカはすでに核放棄を条件に体制の維持を保証すると表明している。
そして、今度はトランプ大統領に強い影響力を持つ安倍総理が拉致、核、ミサイル問題の解決を条件に経済発展への協力を示唆した。

そのうえ、トランプ大統領は21日には資金凍結強化などの独自制裁強化措置を発表した。
我が国も朝鮮総連の破産手続きなど、まだまだ独自制裁強化の道はある。
 

圧力をさらに強めることでのみ、金正恩の考えを改めさせ、明りの見える方向に動かせるのである。

(以上)
 

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ