高村副総裁の役割

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安倍総理が2012年9月26日の総裁選で復活してからもうすぐ5年になる。その間、幹事長をはじめ党役員は入れ替わってきたが、高村副総裁だけは一貫して重責を担ってきた。麻生副総理と菅官房長官が内閣の骨格なら、高村氏は党の背骨と言ってもいい。

その高村氏が、かつて総裁選に出馬したことがあるのをご存じだろうか。

2003年、彼は当時の小泉政権の国債発行30兆円枠に異議を唱えて立候補し、結果は最下位(54票)に終わったものの、議員票では高村派議員数の16人を大きく上回る47票を獲得して一定の存在感を示した。ネットでみつけた下記の記事で高村氏の政策や当時の様子が伺える。
(以下、太字強調はブログ主)


[高村正彦氏] 対立軸は「マクロ経済」だけ

千代田区紀尾井町の高村派事務所にはマスコミ各社の派閥担当記者が詰めかけていた。9月3日の取材時にはまだ推薦人が二人足りず、正式出馬表明には至っていなかった。

「みなさんに当たっていただいているんですが、まだ署名が20人に達していないということは確かです。20人に達しましたら出馬いたします。出馬したいと既に意欲は表明しているわけですから」

小泉首相との
対立軸は「マクロ経済」で、小泉路線とは違う経済構造改革を推進していきたいと言う。

「景気の良い時は緊縮財政、
景気の悪い時こそ積極財政を! 私がやる政策のほうが景気は活性化すると思います。一時的には財政負担はあります。長い目で見た場合は、子どもたち孫たちに残す借金は、私の経済政策のほうが少ないと思います。単年度に30兆円とか国債発行額を決めるのは間違いだと思います」

外相在任時はスーパー政府委員ともいわれるほど外交政策には精通していた。

「『拉致問題の解決なくして国交正常化なし。国交正常化なくして経済協力なし』『安全保障の解決なくして国交正常化なし。国交正常化なくして経済協力なし』です。拉致問題と安全保障の解決が国交正常化の前提条件です。北朝鮮はのどから手が出るほど日本の経済援助が欲しいんです。財政出動は 厳格なチェック体制、それは費用効果分析をする機関を内閣府の中に設けてやるべきです。発注官庁からやると、繰り返されてきたお手盛り分配になります。そういうムダなことに税金が使われてきた。いつかやらなければいけないんです」

「マクロ経済」以外では小泉路線支持を言明。共同記者会見では時おり、小泉首相を見やるなど「ポスト(閣僚)狙い」とも言われている。


http://web.archive.org/web/20080624110557/http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2003_09_10/index.html  2003.09.10


高村氏がこのような経済政策を提唱し、経済成長による財政再建を主張していたとは知らなかった。小泉政権の経済政策の大きな問題点は金融緩和と構造改革を重視する一方、緊縮財政志向だったために景気回復に時間がかかったことだ。

これに当時の高村氏が主張する「景気の悪い時こそ積極財政を!」を実践し、構造改革の内容を見直せばアベノミクスと同じようなものになる。もし、この経済政策を小泉政権や第一次安倍政権が取り入れていたら、日本はデフレから脱却できていたかもしれない。

当時は「積極財政、公共事業は悪」との考え方が支配的だったが、安倍総理自身も当時を振り返って公共事業を削り過ぎてしまったことを反省している。高村氏はそんな時期に積極財政を主張して出馬し、そんな彼に1票を投じた議員も54名いたのである。

だから、彼が2012年総裁選では経済政策はもちろん外交政策でも共通点の多い安倍晋三氏を支持したのも、その安倍総裁から副総裁を任されたこともごく自然なことだ。挙党体制のためあえて任命した石破幹事長のお目付け役だけではなかったのである。

それはともかく、上記の記事では出馬を「ポスト狙い」との見方があることも報じている。しかし、当時まだ60歳くらいだったのだから、経験豊富な議員として総理総裁、閣僚を目指すのはむしろ当然である。

そんな今とはイメージの違う高村氏が現在の飄々とした感じに変わり、皮肉の効いた鋭いコメントを発するようになったのは副総裁に就任する前後からのようだ。高村氏が副総裁に就任して1カ月ほどしたとき、阿比留さんが自身のブログで氏を次のように評している。

ちょっと長いが、あまりに面白いので全文を引用させていただいた。
また、太字強調はブログ主の独断である。


(「国を憂い、われとわが身を甘やかすの記」『自民・高村副総裁と「嘘つき」の刻印を押された野田首相』)から

最近、自民党の高村正彦副総裁の毎週水曜日に記者団に語る「今週の所感」が楽しみになってきました。私は高村氏が外相時代に外務省を担当したこともありますが、当時はこの人について「真面目でいいけど、いまひとつ面白くないな」という印象を抱いていました。ところが、最近の高村氏の言葉はなんというか「はじけた」感じで、とても楽しい
 
 例えぱ、最近の以下のようなセリフには笑いました。いや、笑っている場合じゃないのは重々承知していますが、もう笑うしかないという心境です。
 
「日本には1億人以上もの人がいるので、鳩山さんみたいな人がいることはそれほど驚くことではないのかもしれないが、政権与党の外交担当最高顧問にまた復帰するということは大いに驚くべきことだ」(17日)
 
「もしかしたら輿石さん、樽床さんは正直な悪い人、野田さんは嘘つきの悪い人かもしれないという意見が台頭してきている」(10日)

で、本日は何を言ってくれるかなあと期待していたところ、高村氏は次のように語っていましたわはははは。せっかく後輩の峯記者がテープ起こしをしてくれたので、ここに紹介します。

《田中法相がまさに体調不良、病気を理由に詰め腹を切らされたが、本当の理由は体調不良、病気でないことは国民のだれもが知っているわけだ。本当の理由をいわないでこうやって詰め腹を切らすという民主党政権の嘘つき体質こそほとんど病気だと言ってもいいのではないかと思う。
 
 田中さんが内閣にとって迷惑だから辞めろということ以上に、今の内閣は国民にとって迷惑だから、早く国民の信を問うてもらいたい。
 

 党首会談が「近いうち」についてより具体的な提案があるという鳴り物入りで行われたが、実際は何もなかったということだ。どうも野田首相は解散権というのは首相の大権であるから、具体的な時期を明示することは大権を持っている総理の沽券にかかわるというふうに思っているようにも受け取れるが、消費税を上げないと言って選挙に勝っておきながら消費税を上げた。国民による政治というものが失われているわけだから解散を年内にもすると、例えば年内にもするということを明示して、国民による政治に一歩でも近づく意向を示すことができるし、それからそれによって特例公債法案も通す環境整備もできる。それは国民のための政治ということに近づくことができる。
 
 そのことと総理の沽券とどっちが大切か。これは自明のことだと思う。百歩譲って総理の沽券というのはそんなに大切であるとしても、その解散の時期を示すことによって立たなくなる沽券と、消費税を上げないと言って上げる嘘、無駄を省けば16兆8千億円出ると言った嘘、あるいは谷垣総裁との間の党首会談で0増5減を切り離してでもやるといってやらなかった嘘。
すでに嘘つきの3冠王になっているが、近いうち解散まで嘘ということになれば、嘘つきの4冠王ということになる。そういう汚名が定着することによる沽券が立たなくなることとどちらの度合いが高いか。これも自明のことだと思う。
 
 前原さんが「総理が示した3つのことができればそれが条件で解散を年内にするんだ。年内解散、来年の解散であれば、近いうちでないことは常識だ」と言ったことは国民の常識に合うことだ。国民の願いにも合うことだ。こういうふうに思うが、これをぜひ前原さんは野田さんにも非常に近いと聞いているから、解散権者である野田さんにそのことをいわせてもらえば、一部にいわれていた「口だけ番長(言うだけ番長)」などという誹りは完全に払拭できるのではないか。それを期待しているところだ。
 
 一方で岡田さんあるいは輿石さんが「総理が示した3つのことは解散の条件ではないと、それができたからといって年内解散を約束したわけではない」というような趣旨のことを言っているが、これは国民の期待に背くが、一日でも長く国会議員をやっていたいという民主党衆院議員の期待には大いにかなうことではあるのかな。国民の期待と民主党国会議員の期待と、どっちを重視する党なのかなと、それが問われている。
 
 野田総理に一言申し上げたいことは、「至誠に悖るなかりしか」「言行に恥ずるなかりしか」といった難しいことではなく、ただ一言、
嘘はいけませんよ。こういうことだと思う。(了)》
 
 ……まあ、明らかに自業自得なわけですが、野田首相は「嘘つき」というイメージが定着してきましたね。野田さんだけでなく、米軍普天間飛行場の移設先について何も考えていないのに「腹案がある」と言い続けた鳩山由紀夫元首相も、中国漁船衝突事件で、自分で中国人船長の釈放を指示しておきながら「那覇地検独自の判断だ」と責任を押しつけた菅直人前首相もみんな嘘つきでした。それも、見え透いた、誰にでもそれと分かる嘘をつき、恬として恥じないという厚顔無恥も共通しています。この人たちが国民を欺き、どれだけ嘘をついてきたか、いちいち数える気にもなりません。

今や、「嘘つきは民主党のはじまり」という慣用句もすっかり定着しましたね。大嘘つきというレッテルを貼られた人物が今後、何を言おうと国民も諸外国ももう信用しません。ということは、政治的にもうほとんど何もできないということです。信用を失うということはそういうことです。あとできることは解散か総辞職かしかありません。

 この現実に一刻も早く野田首相が気づくことを、ひたすら願う次第です。


http://abirur.blog.jp/archives/1000669468.html


発言を紹介する前に「わはははは」と書いているように、どの発言も皮肉が効いて実に面白い。

「すでに嘘つきの3冠王になっているが、近いうち解散まで嘘ということになれば、嘘つきの4冠王」などは正論であり、かつ秀逸なギャグになっている。

それはともかく、多くの政治家を身近にみてきた阿比留さんは、高村氏が総理総裁を目指したころとはかなり違っていることを感じ取ったようだ。私は、副総裁を引き受けた時から、政権を陰で支えることに徹することを決めていたのだと思う。

だから、なかなか解散しない野田首相に対してマスコミの前で上記のような口撃を行うキャラクターに変身したのではないか。そして、その後も、石破、谷垣、二階と幹事長が変わる中、消費税政局など様々な場面で陰に日向に影響力を発揮し、安倍総理を支え続けているのである。

その高村氏が最近、時事通信のインタビューに答えて、改憲への取り組みなどについて次のように語っている。


改憲議論、丁寧に=高村自民副総裁インタビュー
 自民党の高村正彦副総裁がインタビューに応じ、内閣支持率が一時期より低下する中、党内の憲法改正議論を丁寧に進める姿勢を示した。インタビューは15日に行われた。主なやりとりは次の通り。

 -副総裁再任の意気込みを。

 党四役が足し算以上の力を出せるようにお手伝いしたい。当面は憲法改正議論で、保岡(興治)憲法改正推進本部長のお手伝いをする

 -推進本部では9条改正など4項目の議論が一巡したが。

 党内コンセンサスができたと言える状態ではないが、最大公約数的なものは浮かび上がってきた。9条改正以外の項目については、幹部間で最初のたたき台をつくりたい。

 -9条については。

 最初のたたき台をつくる前に、もう一度議論する必要がある。

 -秋の臨時国会に自民改憲案を提出できるか

 できれば、そうしたい。ただ衆院議員100人、参院議員50人の賛成が必要な正式の憲法改正原案ではなく、憲法審査会の場で「これが自民党の現時点の案だ」と主張できるものをつくりたい。

 -安倍晋三首相(党総裁)は改憲議論について「スケジュールありきではない」と言った。慎重姿勢に転じたのか。

 そうではない。首相は初めから「スケジュールありきではない」と考えていたはずだが、いわゆる「安倍1強」の中で「スケジュールありき」と誤解された。その点を反省して、当たり前のことを言ったのだと思う。

 -内閣支持率が一時期に比べて低い。改憲議論への影響は。

 憲法改正では最後に国民投票があるから、支持率が「全く関係ない」と言うのは能天気だ。けれど、支持率が低いからといって最初からスケジュールを放棄するのも良くない。党内、各党、世の中の雰囲気を見ながら議論していく。

 -公明党や日本維新の会との協議は。

 与党協議の枠組みは考えていない。ただ、いろんな政策をやってきた公明党や憲法改正に積極的な維新とも話した方がいい。民進党とも話しやすい人がいれば話す

 -自民党案提出の前に話し合うか。

 最初から(他党の協力が)不可能なものは出さない方が良い。

 -来秋の総裁選、首相の3選を支持するか。

 現時点では安倍総裁にもう1期やってもらいたい経済や外交を他の人がより良くやれるとは思えない。

 -野田聖子総務相ら「ポスト安倍」候補もいるが。

 総裁選に堂々と出て勝負するのは非常に結構なことだ。野田氏が組閣の日に「次、必ず出る」と言ったのは、とても珍しいことだが悪いことではない。内閣の方針に従うことと、「自分が内閣のトップになったら、もっと良くできる」と言うのは矛盾しない。

(2017/08/19-15:47)https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081900406&g=pol


このインタビューは副総裁に留任した直後に安倍総理に「憲法論議は党に任せ、内閣は経済第一で」と提言したことを受けてのものだ。「丁寧に」との見出しに改憲論議を先送りしたい勢力の願望がにじみ出ているが、記事からは逆に高村氏の強い改憲意欲を感じる

例えば、副総裁再任の意気込みを聞かれて「憲法改正議論で、保岡憲法改正推進本部長のお手伝いをする」と言っている。これは「これまで議論の先送りを繰り返してきた憲法改正推進本部のお尻を叩く」という意味だろう。

高村副総裁が「憲法論議は党に任せ、内閣は経済第一で」と発言したとき、朝日新聞は「(改憲に前のめりな)安倍総理にクギを刺した」と報じていた。


「改憲より経済第一で」 クギ刺された首相「当然です」
朝日デジタル 2017年8月4日

(抜粋)
3日午前の役員会で、留任した高村正彦副総裁は首相に「(改憲議論は)これからは党に任せて、内閣としては経済第一でやっていただきたい」とクギを刺した。首相は「当然です」と応じた

 役員会後の記者会見で高村氏はこのやりとりを自ら紹介し、「目標というのは絶対ではない」と発言。二階俊博幹事長も「慎重の上にも慎重に広く国民のご意見を賜る姿勢も大事にしたい」と足並みをそろえた。もともと9条改憲に慎重な岸田文雄・新政調会長も「丁寧な議論を続けることで国民の理解も進む」と語った。

http://www.asahi.com/articles/ASK835JPTK83UTFK01S.html


しかし、提案した高村副総裁もそれを受けた安倍総理も憲法改正には内閣支持率回復が不可欠であり、そのために政府は経済第一で取り組むべきだとの認識で一致している。高村氏は自分が憲法論議を必ず進めさせるから任せてほしいと言い、総理はそれを歓迎したのだ。

最近のマスコミは「ウソつきの4冠王」がかわいく見えるくらい劣化が激しい。この現状を阿比留さんに「わはははは」と書かせたころの高村さんがどう表現するかぜひ聞いてみたい。マスコミによる言論統制が厳しい現在はそうもいかないのだろうが。

高村副総裁の存在はあまり目立たないが、その果たしてきた役割は実に大きい。
安倍総理を支え、持続的な経済成長への道筋をつけ、そのうえ憲法改正を実現すれば、彼の目指した大きな政治目標を成し遂げることになるのではないか。

(以上)
 

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