広島の被災地は今

豪雨による災害が全国各地で相次ぐ中、77人が亡くなった広島市の土砂災害から20日で3年を迎えました。現地では砂防ダムの建設など復興が進む一方、住宅の再建をあきらめる人も多くいます。被災地の今の思いとは。

 災害発生から3年となる20日は、被災地の小学校などで犠牲となった人たちを追悼する行事がありました。

 「すごく昔だったような感じはする。でも実際にあったことで大雨とか降ると今でも気になる」(住民)

 3年前の未明、広島市の北部では局地的に猛烈な雨が降りました。多発した土石流は山沿いにあった住宅地に達します。流れ込んだ大量の土砂や崩れた家の下敷きになるなどして、77人が亡くなりました。

 土砂災害から3年、被災地には砂防えん堤が数多く完成しました。こういったハード面の強化によって、いっときはこの場所を離れていた住民の方々も、少しずつ戻りつつあるようです。

 国は、二次災害の防止などのために、特に被害が大きかった25か所に巨大な砂防ダムを緊急事業として整備しました。

 「人によっては、緊急復興工事が終わったと聞いて、もう大丈夫だと思っている人も多い。その辺は裏腹なところがある」(第一市の坪自治会・松井憲副会長)

 被災地となった安佐南区の八木地区で自治会の副会長を務めている松井憲さんは、復興が進む一方で、不安もあると話します。

 「ここ(被災地)の住民たちも多少風化が進んでいて、避難準備情報が出たり、避難勧告がことしも出たが、そのときにも避難されない」(松井憲副会長)

 被災地では、年齢や経済的な事情で住宅の再建をあきらめたり、再び災害が起きる不安から移転したりする人も多くいて、更地が点在しています。

 「砂防えん堤ができるということで、立ち退きも発生している。やはり規模が大きかっただけに精神的な部分と経済的な部分と合わせて、長い時間がかかっている」(松井憲副会長)

 ハード面での復興が進む一方で、被災地には課題も残されたままです。