オランダ、スレブレニツア事件、政府に責任

 27日オランダの控訴裁判所は、1995年7月13日ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期、ボスニア東部の街スレブレニツアで起きた虐殺事件について、当時、国連の平和維持部隊としてオランダ軍を派遣していたオランダ政府にも一部責任があるとの判断を下し、賠償金の支払いを命じた。
 同裁判所は、2014年に出された下級審の判決をほぼ支持し、「スレブレニツアの虐殺」のうちイスラム教徒の男性約350人の殺害にオランダ政府の責任があると裁定した。この事件では、イスラム教徒の男性や少年8000人近くが殺害されている。
 1時間に及んだ判決で裁判官は、「オランダ国家は不法な行動を取った」とし、「セルビア人武装勢力がイスラム教徒の男性と少年らを、(国連施設から)離れさせるために行った追放により、(イスラム教徒たちが)非人道的な扱いや処刑に直面するリスクが本当にあることを、オランダの平和維持部隊は分かっていたというのが結論だ」と述べた。また、避難民の中からイスラム教徒の男性や少年を選び出すことを、オランダ軍兵士が助長したと述べた。
 スレブレニツアの虐殺は、1995年7月13日に発生した。スレブレニツア錦江の住民が、多数避難していた国連施設にセルビア人勢力が迫り、イスラム教徒の男性らを追放、軽装備のオランダ部隊はこれを防げなかった。その後の数日間で、イスラム教徒の男性や少年約8000人近くが殺害された。このうち350人の殺害についてオランダ政府に責任があるとした2014年の判決については、オランダ政府、犠牲者の遺族双方が不服として控訴していた。
 イスラム教徒等が、非人道的な扱いや処刑に直面するリスクとセルビア人との戦闘ー負ける可能性についても検討されたのであろうか。平和維持部隊派遣は、分離以上に戦闘を期待するものであろうか。ましてや軽装備では、重装備のセルビア人に勝てるわけもない。
 国連の平和維持活動は、現地の武装勢力が国連の意向に従う前提で派遣されており、それ以上に現地の武装勢力の闘う意志が強く、重装備であれば、黙認せざるを得なくなる状況となる。
 兵士は、戦って勝てると判断したときは戦うが、死ぬると分かった戦いはしない。国連平和維持部隊であっても然りである。そうしないためには、国連平和維持部隊と雖も、現地武装勢力を上回る武装をしておくべきである。その意味では、任務を避難民保護と明確にし、交戦規程に明記し、重武装にして派遣すべきであった。そうなると国連平和維持部隊の任務を越えることになるが…。
 こうしたこともあって最近では平和維持部隊派遣を避ける国が増えた。敢えて火中の栗を拾う国はいない。
 この事件が被害者の救済であるが、同時に国連平和維持部隊派遣の忌避によって、将来の被害者を増やす結果ともなった。

注:「『スレブレニツアの虐殺』、オランダ政府に一部責任控訴際判決」http://www.afpbb.com/articles/-/3133625
  「南スーダン、性的暴行120件、PKO要員見て見ぬ振り」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/65576973,html
  「カラジッチ被告禁錮40年」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/65429660.html
  「スレブレニツア犠牲者は、蘭の責任」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/64601708.html