『自壊の病理』

 戸部良一『自壊の病理 日本陸軍の組織分析』日本経済新聞出版社、2017年、2,000円+税は、日本陸軍という組織が、昭和期に入って破綻していく病理を、政治介入、リーダーシップの不在、戦略の欠陥という形を取って顕在化したことを説明している。
 本書は、戦時のみならず平時にも見られた昭和期陸軍の組織的欠陥を取り上げ、戦争指導、西軍金木、リーダーシップ、意識構造といった側面から問題点にアプローチしている。
 形式的理解と自己保身から、組織の堕落と腐食が始まり、張作霖爆殺事件を発端に、現地の暴走が始まり、満州事変と北支工作と抱く弾戦功と下克上が常態化し、最大の政治勢力となり、外交に介入し、総力戦の思考から国内改革統制経済をひいいたが、リーダーシップの不在と戦略の欠如から、意図せざる結果を招いた。
 戦争指導、変質ー陸軍の政治家のメカニズム=統帥権独立の呪縛、漂流-大局観なき対外政策。独の背信、構想力なき戦争、と指摘は続く。

注:戸部良一『自壊の病理 日本陸軍の組織分析』日本経済新聞出版社、2017年、2,000円+税
  「国家経営の本質」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/64916398.html
  「失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/63651750.html
  「昭和陸海軍の失敗」http://blogs.yahoo.co.jp/hiromichit1013/53960263.html