空自、次期主力戦闘機F-35Aの実機を初公開

エンジンやソフトウェアなどでの問題発生、それに伴う設計の見直し、生産の遅れや価格の高騰など、数多くのトラブルに見舞われながらも粛々と開発が続けられてきた第5世代ジェット戦闘機「F-35A ライトニングII」のうち、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)タイプのB型は、昨年8月12日の記事で報告したように昨年7月についに「初期運用能力」を獲得しましたが、通常離着陸型タイプ(空軍向け)のA型も、今月2日、アメリカ空軍に於いて漸く初期作戦能力の獲得が発表され、遅ればせながら漸く実用化に至りました。
そして、航空自衛隊に導入される、そのF-35Aの日本仕様機の実機の姿が、今月15日、初めて公開されました。

F-35A初号機



空自の次期主力戦闘機であるF-35Aは、平成24年度契約分の4機が、米テキサス州のロッキード・マーティン社フォートワース工場において製造されていましたが、この度空自から公開された写真(上の写真)は、そのうちの1機である日本向け初号機「#701」で、この写真により、その組立・塗装が完了した事が明らかになると共に、機体に描かれている日の丸にはグレー1色の「ロービジ迷彩」が採用された事なども明らかになりました。
F-35Aの日本仕様機に、ロービジ日の丸が採用されたのは、ステルス性の観点から使用可能な塗料に大きな制限があるためで、F-35Aは空自初のロービジ(低視認性)迷彩機となります。

この写真の機体は、現在地上試験等実施中で、来月には前出のフォートワース工場で飛行試験が開始される予定で、飛行試験が終わった後、空自へ引き渡されます。本年10月までに4機が出荷され、合計で42機のF-35Aが空自に導入される見込みで、空自で最初のF-35A実戦部隊は三沢基地(青森県三沢市)での編成が決まっています。
但し、まず最初に出荷される4機は、空自の三沢基地ではなく、米アリゾナ州のルーク空軍基地へ移送され、同基地に所在する「F-35Aアカデミックトレーニングセンター」に於いて、航空自衛隊パイロットらの訓練機材として用いられる予定です。

また、本年中にアメリカから引き渡されるこれらの4機とは別に、三菱重工の小牧南工場(愛知県豊山町)に開設されたF-35A最終組立検査工場でも、現在、国内生産型F-35Aの組立が始まっており、ここからは、来年中に2機が空自へ引き渡される予定です。ただ、この三菱重工製の2機も、当面はルーク空軍基地で訓練用として用いられる見込みです。


しかし、ロービジ日の丸の採用は、意外でした。
ロッキード・マーチン社がかつてプロモーションのために作成したF-35A日本仕様機の模型には真紅の日の丸が描かれており、また、一昨年10月の航空観閲式で公開された、F-35A日本仕様機のモックアップ(実寸大模型)にも、やはり真紅の鮮やかな日の丸が描かれており、まさかロービジ日の丸が採用されるとは、ほぼ誰も予想していなかったと思われます。

空自F-35A モックアップ


日本国内の模型メーカーなどから発売されているF-35A空自機の模型にも、当然実機もそうなるであろうという予測のもと、真紅の日の丸が描かれているので、今後は模型メーカーも塗装の修正が迫られそうですね。

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しかし、ステルス機としての運用の都合上、仕方が無い事とはいえ、赤くない日の丸は、“日の丸”というよりは“ただの丸”に見えてしまい、個人的にはちょっと残念ではあります。



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